金丸:本日は庭師の村雨辰剛さんをお招きしました。お忙しいところありがとうございます。
村雨:こちらこそお招きいただき光栄です。
金丸:本日の対談の舞台は『RESTAURANT ENJYU』。メインシェフはイタリアン出身ですが、和の要素も加え、旬の食材をふんだんに使ったイノベーティブ・フュージョンをいただけるそうです。「八芳園」が誇る美しい庭を眺めながら、食事をいただきましょう。
村雨:こんな素敵な場所でランチをいただけるなんて光栄です。とても楽しみです。
金丸:普段のお食事は和食が多いんですか?
村雨:気分によりますが、一番好きなのは和食、特に焼き魚ですね。だから焼き魚定食をよく食べます。
金丸:いかにも日本人といった感じですね(笑)。村雨さんはスウェーデン生まれで、日本に帰化されています。庭師として修業したのち、独立されたと伺っています。手掛けているのは、伝統的な和風庭園なのでしょうか?
村雨:はい。僕は日本の伝統文化を日本のものとして、しっかりと残していきたいと考えているので、和風庭園しか造らないと決めています。
金丸:お仕事は基本的にひとりでされているんですか?
村雨:そうです。完全な一人親方ですね(笑)。自分でできないことがあるときや、重機を入れるような現場であれば協力してもらいますけど。
金丸:さらに最近では、俳優としても活躍されていますね。
村雨:庭師の仕事は満足のいくものができても、そこまで多くの人に見てもらう機会がありません。一方で、映像作品はたくさんの人に見てもらえるし、いただいた役を自分で練って、みんなと一緒にひとつの作品を作り上げるので、庭造りとは違った面白さがあります。
金丸:遠く離れたスウェーデンから日本にいらっしゃって、しかも帰化するほどに日本や日本文化のことを愛してもらえる。ひとりの日本人としてありがたく感じます。今日は村雨さんの幼少期からいまに至るまでのお話をじっくり伺いながら、日本文化や今後日本が目指すべき方向についてお話をお伺いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。